年間7.5日。ボクは犬のうんち係をフルタイムでやっていました
「その仕事、手放しませんか」
そう言うと、だいたい同じ顔をされます。
「いやいや、手放すって言っても、そんな小さい仕事の話ではなくてさ」
分かります。ボクもそう思ってました。
なので今日は、ちょっとだけ算数につきあってください。
ボクの、恥ずかしい話です。
誰が外したかは、分からない
うちはトイプードルを飼っていて、3匹いた時期があります。
トイレはちゃんと教えてるんです。
でも多頭飼いだと、誰かが外すんですよ。
しかも、誰が外したかは分からない(笑)
現行犯で捕まえない限り
トイレ教育ができないんですぅ。
(失敗してない子を叱ってもしょうがないので)
そうするとどうなるか。
そう、繰り返されるんです💧
で、家にいる時間がいちばん長いのはボクなんですね。
だから、その都度その都度、ボクが片づけるわけです。
1回1回は2-3分程度。
ほんのちょっとの些細なことです。
でも1日にすると
だいたい10分くらいソレをやっています。
ワンコは我が子のようなものですからねぇ。
しょうがないんです。
自分自身にそう言い聞かせてました。
でも、これ、毎日ですからね。
365日で、3,650分。
60で割ると、約61時間。
1日8時間働くとして——7.6日。
……ボク、年間で1週間半(5日+2.6日)
フルタイムでうんち係をやっていることになるんです。
小さすぎて、リストに入っていない
ここからが本題です。
「1日5分10分の作業」って、これ以外にも、きっとありますよね。
同じサイズのやつがもう1個あったら、それだけで年3週間です。
さらにもう1個あったら年1ヶ月間以上になります。
大きい改善は、目に入ります。
売上をどう上げるか、新しい商品をどうするか。
ちゃんと考える時間を取ります。
でも5分10分作業は、目に入らない。
「効率化するもののリスト」に、最初から入ってないんです。
できちゃうから、やっちゃう。
そして、数えていないから、無かったことになる。
ボクが61時間を認識したのは、算数をした日でした。
それまでは、ゼロだと思っていたんです。
付箋を1枚ずつ、はがしていった社長
その「5分10分」を手放して、生活が変わった社長がいます。
静岡のクリーニング屋さんの二代目で、スタッフ20人くらい、工場を持っている会社です。
誰よりも一生懸命な人でね。
朝いちばんに来て、シャッターを開けて、機械を立ち上げて、受付の前を掃除する。
ぜ〜んぶ、社長がやってました。
その人の夢が、また面白くて。
「平日にスーパー銭湯に行って、温泉に入ってマッサージを受けたい」
それが夢だと言うくらい、毎日が忙しく時間が無かったんです。
ボクがやったことは、すごくシンプルでした。
付箋を渡して、「朝来たら、やったことを1個ずつ書いてってください」とお願いしました。
シャッター開けた
機械立ち上げた
掃除した
◯◯した
△△した・・・・・
全部です。
で、あとから1枚ずつ聞いていくんです。
「このシャッター、朝いちばんに来るパートさんにお願いできます?」
「できるよ」
「では、お願いしてください。機械の立ち上げは?」
「できるよ」
「それもお願いしてください」
これを、ちょっとずつ、ちょっとずつ。じわじわと。
気がついたら、社長、午前中にすんごい時間ができたと言うんです。
現場を追いかける時間から、経営を考える時間に変わりました。
この話には、ボクの大好きな続きがあります。
離れて暮らすお子さんの運動会があると
ある日、急に知らされたそうです。
昔なら絶対に無理だった予定です。
社長はその日のうちに新幹線に乗って、見に行けたんですよ。
「行けたよ」って報告してくれたときの声、今でも覚えてます。
ちなみに、売上は下がりませんでした。
社長がやらなくてもいい仕事を手放したぶん
社長にしかできない仕事に時間をかけられるようになったからです。
「渡す相手がいない」というボクらの壁
ここで、たぶん止まりますよね。
パートさんやスタッフがいる会社はいい。
でも一人でやっていると、渡す相手がいないんです。
ボクもずっとそうでした。
だから、渡す先を人ではなくAIにしました。
たとえば打ち合わせのあと。
録画を落として、聞き直して、要点をまとめて、記録に残す。
1件ずつは大した時間ではありません。
でも毎回です。
いまは、ボクは何もしていません。
終わったころに、要約が一覧に並んでいます。
思いついたことのメモも同じで
いまは歩きながらスマホに向かってしゃべるだけです。
自動で文字になって、仕分けされて、その案件の受信箱に届いています。
どちらも、以前はボクが「ついでに」やっていた5分10分でした。
肝は、渡し先ではなくて
いちばん大事なところを言い忘れるところでした。
社長にやってもらったのは、付箋に書くことだけです。
渡すのは、そのあとの話でした。
頭の中にある間、5分10分の作業は「仕事」に見えないんです。
名前がついていないから、数えられない。
数えられないから、手放す対象にもならない。
紙に出た瞬間、はじめて誰かに渡せるサイズの塊になります。
渡す相手が人でもAIでも、順番は変わりません。
書き出すのが先。渡すのは、あとから決めればいい。
明日の朝、1個だけ
もし試すなら、明日の朝がおすすめです。
やったことを、順番に書き出してみてください。
付箋でも、スマホのメモでも。
そして、その中から1個だけ選んで
「これ、自分でなくても回るかな」
と考えてみる。
1個で大丈夫です。
1日10分が消えたら、それは年間で7.5日分です。
ちなみにボクは、あの10分は手放していません。
数えてはみたけど、あれは「やりたい方の10分」でした(笑)
やりたいことに時間を使うために、やらなくていいことを手放す。
順番は、それだけです。
一杯のお茶を味わうように、心に素直に、人生を味わい尽くす。
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