小学生の俺、小遣い全部パソコンにつぎ込む
/blog/352
の続き。
仲間と起業を目指し動いていた坂本さんがゆずってくれたパソコン、PC-6001。
それは、コンピューターの会社をやろうと決めた坂本さんが
一番最初に買った、勉強用のパソコンだったそうです。
IT系の会社を立ち上げるにあたっていよいよ本格的に動き始めた彼が、次に必要なパソコンを買ったことで
「これはもう使わないから、よかったらどうぞ」
と、厚意でゆずってくれたのでした。
前回のブログに書いたように、モノをなかなか買ってもらえない家庭に育った僕たち兄弟。
パソコンを使えるようになりたくて、僕と弟は一緒にお小遣いを貯めてパソコンの雑誌を買いました。
『Basic Magazine (ベーシックマガジン)』
知ってる人いるかなぁ?
2003年まで発行されていた、ヘビーユーザー向けのパソコン雑誌です。
どうしてお小遣い貯めてまで『ベーマガ』買ってたのかって?
パソコンでゲームがしたかったんです!笑
小学生って、そんなお年頃よね。
ゲーム機もゲームソフトもないんなら、
自分たちでゲーム作るしかない!
という発想です。
『ベーマガ』には、プログラム好きな読者が投稿したゲームやツールのプログラム(ソースコード)が掲載されていました。
それを一つ一つ、手打ちでポチ・ポチ・ポチ、打っていくんです。
まるで写経のように。
読者が作ったプログラムを雑誌社で評価している、その投稿ページを毎号見るのが楽しみでした。
今だったらダウンロードすればスルッと簡単に手にはいるプログラムも、昔は一つ一つ手書き、というか手入力していた時代があったのですよ。
雑誌編集者からのゲームプログラムの評価の内容をチェックしながら、あ、これ面白そうだな、と思ったやつを見つけて、弟と一緒にプログラムを打ち込んでいきます。
「俺、この10行打つから、終わったらお前が次の10行打てよ」
って。
まあ必死でやるんです。ゲームしたさに。
学校から帰ると僕たちは、ひたすらキーボードを叩いていました。
突然ですが『ゲームセンターあらし』ってマンガ、知ってます?
当時、『ゲームセンターあらし』を描かれたマンガ家のすがやみつるさんが、ちょうどマイコン(コンピューター)にハマり始めた頃でした。
それで、すがやさんがゲームセンターあらしのキャラクターを使った「マンガ版プログラム教本」みたいな本を出されたんです。
『マンガでわかる日本の歴史』みたいなやつの、プログラム版ですね。
僕たちはベーマガだけでは飽き足らなくて、その本も買ってプログラムの勉強を始めました。
なぜ、マンガを通してプログラムの勉強をしたかったかというとですね。
『ベーマガ』に投稿されているソースコードをポチポチ打っていくうちに、
「これ、どういう意味なんだろう?」
って、疑問がわいてくるんです。
わけのわからない暗号みたいな記号を打っているけど、正しく打てばゲームのプログラムが完成する。
でも、この記号は何をあらわすんだろう?
これってどういう意味だろう?
なんのためにこのソースコードがあるんだろう?
そんな疑問をマンガでわかりやすく説明してくれる。
小学生の僕たちにもめちゃくちゃわかりやすかった。
そのマンガを通して、僕たちは「Basic」というプログラム言語を学んでいったんですね。
マンガ版のプログラム教本に、『I/O(アイオー)』、そして『Basic Magazine(ベーシックマガジン)』
お小遣い全部使ってました。笑