お茶より大切なものはない 1

こんにちは。Kuny です。

沖縄に来て間もない頃、僕はITサポートの仕事をやっていた。

寝る時間も惜しんでガンガン仕事していたせいか、少しずつお客さんが増えていっていた頃だった。移住したばかりだから早く基盤を固めたい、という焦りもあったと思う。休みもほとんど取らず、毎日を仕事で詰め込んでいた。

有難いことに仕事は徐々に増え始め、今日も明日もアポ。それが終われば他のお客さんのところへアポ。という具合にフル回転していた。晴れた沖縄の空の下、何の疑問も持たず仕事をガンガンこなす日々。

その日も、アポが数件入っていた。

家族で水回りの会社を経営しているお客さんのところへ出向いてトラブル対応を終えた。散らばった道具をまとめてそのお宅を出ようとしたとき、お茶の間の方から

「はい、にーさん、休んでって〜」

と、オバーののんびりした声が聞こえてきた。

トラブル対応に思ったより時間がかかってしまったのと、次のアポまで時間がなかった僕は

「すみません、次の予定があるんで行きますね」

と笑顔でかわして玄関に向かおうとした、そのとき

「うううん、お茶より大切なものはないよ〜」

お茶より大切なものはない

お茶より大切なものはない

と再びオバーの声。オバーの笑顔と目があって、なんだか断りづらくなった僕はお茶の間に上がった。

オバーは、冷たいさんぴん茶を出してくれた。

できるだけ「ゆっくりに見える」ように、でも、なるべく急いで飲む。ユンタクしている余裕はない。

急いでいるのをあらわにするのもなんだか悪いので、一気飲みはしなかったものの、一生懸命ゆっくり急いで飲み終え、オバーにお礼を伝えてそのお宅を後にした。

その夜、沖縄の経営者の集まりがあり、何気なくその話をした。

先輩経営者の方が僕の目を見てこう言った。

「そのオバーの言った意味はわかるか?」

沖縄の人は、ユンタクの時間を大事にする風土がある。

「ユンタクする」とは沖縄の言葉で
「お茶でも飲みながらゆっくりおしゃべりしよう」という意味。

慌てて急いだまんま行かせて、万が一、事故でも起こしてしまったら

「なんであの時、しっかり呼び止めておかなかったのか!!」と後悔するそうだ。

「あの時ちょっと落ち着かせておかなかったのか」と急いでいる人に一服をうながさなかったことを後悔する、沖縄の人。

先輩は言った。

「それってね、『一服のお茶も飲めない(楽しめない)ようなあなたの仕事って、どれほどのものなの?』っていうことを伝えているんだと思うよ」

僕は「はぁ」と生返事をしながら、なんとなく聞き流してしまった。言っている意味はわかるけど、よくわかってない感じだった。

“ガンガン動いて仕事して何が悪いのさ?”

あの頃の僕のパラダイム(価値観)では、汗流して次々と仕事するのが何より大事だった。

腑に落ちない居心地の悪さみたいな感覚をおなかに残して、その夜は終わった。スッキリしない便秘感。いつものあわただしい日常がしばらく繰り返された。

それが変わったのは、あることがきっかけだった。

長くなったので、また明日書くね〜。

/tea2/

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