10倍の成果を出すには10倍楽にならないといけない②
こんにちは。おおたか(Kuny)です。
前回のブログでは、10倍の成果を出すためには10倍楽にならないといけない理由をお伝えしました。
経営者は「作業」ではなくて「仕事」をしないといけない。
そのためには「手放す」ことも重要なんです。
でも、ここに落とし穴があります。
「手放す」と売上は増えます。
でも、売上が増えたからといって人を増やすとラットレースに陥ってしまうんです。
「いや、売上が増えたら社員を雇って事業拡大するのは当たり前でしょう?」
って思いますよね。
僕もそう思ってました(笑)
でもね、本当は違うんです。
もうひとつの判断基準 @(アットマーク)
僕が事業を判断するときの指標に@(アットマーク)というものがあります。
この@(アットマーク)はどんなものかというと・・・
売上から原価を引くと粗利(売上総利益)がでます。
さらにこれを人数で割ると会計用語でいう「一人当たりの付加価値」がでます。
僕はこれを@(アットマーク)と呼んでいます。
@1000とか、@500とかね。
例えば、ある事業で年間1000万円の利益があったとします。
1人で事業をやっていたとすると、1000万円÷1人なので@1000になります。
2人なら1000万円÷2人で@500です。
で、ここが重要なのですが、@1000がひとつの判断基準になるんです。
どういうことかというと、@1000未満は言ってしまえばラットレース状態。
働いても働いても楽じゃない状態です。
反対に@1000以上はとっても効率がいい状態。
まさに10倍楽して10倍の成果を出せる世界ですね。
じゃあ、がんばって働けば@1000を超えられるかというと、実はこれが難しいんです。
経済産業省のデータによると日本の企業の約88%は@1000未満なんです。
つまり、ほとんどの企業は@1000のカベを超えられていない。
@1000以上の会社は全体のたった12%、@2000以上の会社は2%しかないんです。
もちろん最大瞬間風速的に@1000を超えることは可能です。
大型受注1つあれば@1000は越えられます。
でもね、この@1000付近ってなんというか「浮力」みたいなものがあるんです。
たとえるなら、まるで水に浮かべたビート板みたいな感じ。
ビート板って水中に沈めて手を離すとすごい勢いで飛び跳ねますよね。
(やったことがない人は沖縄に来て是非やってみてください笑)
あれと同じ。
この場合、水中が@1000以上で、水面より上が@1000未満です。
無理矢理@1000を超えても、すぐに@1000未満に戻っちゃうんです。
ぴゅん!って感じで(笑)
たとえば・・・
ひとりで事業をやってきて年間1000万円の利益が出たとします。
この段階では@1000です。
仕事も増えてきて順風満帆。でも仕事量が多くて結構大変なので人を増やそう!となります。
で、人を雇う。
この瞬間に1000万円÷1人で@1000だったのが、1000万円÷2人になって@500になっちゃうんです。
そしてまたがんばる。するとまた利益も増えてきて@1000に近づいてきた頃、
「忙しい~、大変~、誰か助けて~」
となってさらに人を雇う。
すると今度は売上を割る数が2人から3人になるので、また@が下がる。
僕の会社もそうでしたが、普通の会社ってこれを繰り返してるんです。
一人あたりに配分できる利益が実は全然増えてないんです。
そりゃあ、いくら人が増えても楽にならないはずです。
実は、この@1000近辺ってめちゃくちゃ忙しくなります。
だからほとんどの会社では
「あ~大変~」
ってなって、人を雇うことで解決しようとするから、その瞬間に@1000以下に戻されちゃう。
これがラットレースの正体なんです。
成功像は1つじゃない
普通の会社はがんばって利益をあげても@1000くらいになると、自らの手で来た道を戻ってしまう。
というか、多くの会社はこの基準のことを知らないから、そもそも@1000以上の世界に行こうと思っていないんです。
忙しくなったから人を増やし、また忙しくなったらさらに人を増やしを繰り返しているだけなんですね。
でも、これって世の中の判断基準でみると「成功像」なんですよね。
だって順調に売上が上がり、社員も増える拡大路線をたどっているわけですから。
「仕事も増えて、売上も上がり、お客さんも増えている。いいことづくめじゃないか~!」
って思いますよね、普通。
でも、@(アットマーク)という基準で見ると、実はラットレースをやっているだけだったりします。
「会社は大きくなってるけど、なんか豊かにならないな~」
という理由はここにあるんです。
しかも、売上が右肩上がりに上がって、利益も同じくらい増えていればいいんですが、現実にはそうはいかない。
売上は増えてるけど利益は横ばいってことは少なくありません。
新しく社員を雇った瞬間は人件費が上がって、利益が減っていたりもしますしね。
これは僕自身も通ってきた道なんですが、俗にいう自転車操業ってまさにこんな感じです。
世の中で当たり前と言われていることをやっていると、ラットレースに陥っちゃうんですよ、自然とね。
しかも、より大きな問題は誰もこのことを教えてくれないということ。
判断の基準をどこにおくかは経営者の選択でいいんだけれど、僕は売上もスタッフもお客さんも増えたけど忙しいのになぜか豊かではないという状態の延長線上に幸せ像を見つけられなかったんです。
一生懸命働いてくれる社員にもっとたくさん給料を払いたいけど、どうやったらいいのかわからないっていう経営者さんも多いです。
(@(アットマーク)が低いとたくさんお給料出したくても出せないんですよね・・・)
この状態はしんどい。
本当にしんどいんです。
僕はこのしんどい状況を5年10年続けた先に明るい未来があるとは思えなかったんです。
しかも、人が増えれば増えるほどマネジメントにかかる時間が増えて、自分が好きで始めたITのことが全然できなくなっていく。
だから
「今までのやり方を根底から変えないとダメだ!」
と思ったんです。
これが僕が@1000以上を目指そうと思ったきっかけなんです。
この@(アットマーク)って言ってみれば企業の体質みたいなものです。
社員数が体重なら、@(アットマーク)は体脂肪率みたいなものです。
社員数や売上といった指標では他の会社に敵わないかもしれないけど、体質では勝っている会社を目指そうと思ったんです。
「大きさでは負けるかもしれないけど、見た目はバッチリよ、みたいな(笑)」
これっていわゆる「普通」の成功像とはかけ離れているかもしれません。
でも、僕がずっと経営をやっている中でたどりついた答えなんです。
成功像は1つじゃなくてもいいじゃない?って思ってます。
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