ビジネスの軸と価値の関係①
こんにちは! おおたか(Kuny)です。
ちょっと前に「ビジネスの軸ブレ」についてお伝えしました。
スモールビジネスでやっちゃダメな「軸ブレ」パターンとは
僕らみたいなスモールビジネスではF軸でビジネスした方がいいケースがほとんどだけど、知らないうちにC軸でビジネスしてしまうって話でしたよね。

「F」は、フレンドリーのF
本来F軸でビジネスをするところを、C軸でビジネスをしてしまうといろいろと大変なことが起こってきます。
今日はまず最初にその事例を一つお伝えしますね。
C軸のビジネスは「安いから」でさくっと乗り換え
少し前の話ですが、僕の義理のお母さんが携帯電話を変えたんです。
機種変更ではなくて、キャリアごと変えました。
それまで10年以上同じキャリアを使ってきたのに、急に乗り換えたので不思議に思って
「なんで変えたんですか?」
って聞いてみたんです。
すると、なんて返ってきたと思います?
なんと
「こっちの方が安かったから」
って返ってきたんです。
これには僕もびっくり!
普通、10年以上も同じ会社と付き合いがあれば、多少なりとも愛着がわくと思いませんか?
それなのに、「安かったから」というだけの理由でさくっと乗り換えちゃったんです。
僕ら経営者や起業家の考え方からすると、10年以上の付き合いってめちゃくちゃ大事なロイヤルカスタマーじゃないですか。
それなのに「あっちの方が安い」の一言で去っていっちゃうなんて・・・(泣)
致命的だと思いませんか?
要は10年間も時間があって全く関係性が築けていなかったってことなんです。
なんでこんなことが起こるかというと・・・
携帯電話のキャリアのビジネスモデルがC軸だからです。
C軸のキーワードは「それなり」でしたよね。
C軸のビジネスモデルはそこそこ安くて使いやすい。
たしかに便利なんだけど関係性は築きにくいんです。
だから他に安くて使いやすいサービスがあれば、あっという間にお客さんは去っていっちゃう。
取引が長く続いたからと言ってF軸のビジネスになるわけではないといういい例です。
携帯電話のキャリアはいわゆる大手なので、少しくらいお客さんが去って行っても大きな問題ではないと考えるかもしれません。
でも、僕らみたいな小さな会社からすると、こういうお客さんとの関わり方は致命的です。
ビジネスがとても大変になっちゃう。
だからこそ、スモールビジネスではF軸でビジネスをしたらいいのですが・・・
知らないうちにC軸のビジネスに近づいてしまうんですね。
なぜなら、世の中のビジネスのほとんどはC軸だからです。
僕らが普段、消費者として触れるほとんどのビジネスがC軸なので、ビジネスを構築する際に、知らず知らずのうちに考え方がC軸に近づいてしまうんです。
これがいわゆる「軸ブレ」です。
前回のブログ(スモールビジネスでやっちゃダメな「軸ブレ」パターンとは)では、軸ブレを起こしているかどうかを確認するためにはプロ(第3者)にチェックしてもらうと判りやすいということをお伝えしました。
実はもう1つ、自分のビジネスがC軸に行ってしまっているかどうかを確認する方法があります。
ビジネスの価値と価格の関係性
自分のビジネスがC軸に行ってしまっているかどうかを確認する方法、それは「値上げ」です。
え?
これをやったら元も子もないって?
たしかに、これがベストな方法ではないかもしれませんが・・・
少なくとも自分のビジネスの現在位置を知ることはできます。
単純に値上げを行うと、「それでもいいよ」って言ってくれるお客さんと、「高いからいらない」と言って離れていくお客さんに分かれます。
これは僕が通っているカイロプラティックの医院の例なのですが、この医院の最初の価格設定は60分3000~4000円くらいだったんです。
ここの院長の施術は抜群にうまかったのですが、価格設定は市場価格からしたら少し安めでした。
あるとき、院長はサービスの値上げを行ったんですね。
すると、何が起こったか?
わかりますか?
値上げをしたことによって客数は減りました。
でも、売上と利益は変わらなかったんです。
この後も割と短期間に何度か値上げをして、最終的には1時間で6000円。
この価格って東京とかでは普通だと思うのですが、沖縄では結構強気価格です。
つまり、もっと安いカイロプラティックが近くにある状態です。
こうなると
「高いからもう月イチではいけないよ」
といって離れていくお客さんがいる一方、院長の施術に価値を感じてくれている「いいお客さん」だけが残るんです。
この「いいお客さん」とはしっかり関係性を築けているので、変なクレームは来なくなります。
単価が上がってクレームもなくなる。
これって最高じゃないですか?
実は1時間3000円でやっていた時は結構クレームもあったらしいです。
いろんなお客さんが混じってますからね。
値上げによって確かにお客さんの数自体は減ってしまったんですが、逆に考えればいいお客さんだけが残ってくれたんです。
しかも、それだけじゃなくて、面白い現象も起きました。
値上げ前は月1回来ていてくれたお客さんが、値上げ後は2週間に1回来てくれるっていうケースが増えたんです。
1件だじゃなくて、結構な割合でこれが起こりました。
不思議ですよね?
院長も不思議に思って聞いてみたところ、以前は他のお客さんが多くてなかなか予約を取りにくかったけど、値上げ後は予約が取りやすくなったから頻繁に来てくれるようになったとのことだったんです。
このカイロプラティックのケースでは、値上げによって以前の自分のビジネスがC軸にいた事に気がつけたんです。
要は便利に使われていたってこと。
ここは結構大事なことで、自分のビジネスがお客さんに「便利に使われているだけではないかどうか」ってしっかり観察する必要があるんです。
C軸でビジネスをしていると「便利に使ってくださいね」「何でもしますという」発想になりがちですし、実際多くの事業者はこういう言葉を発しています。
そして便利な価格体系に設定しています。
僕もパソコンの個人向けサポートをしていた時は、
「何かあったらすぐに連絡してくださいね」
って言ってました。
これって「便利に使ってくださいね」って言っているのと同じです。
もし、お客さんに便利に使ってもらっているならC軸のビジネスをしているってことです。
自分のビジネスがC軸とF軸のどっちにいるのか判らないって時は、値上げしてみるのも一つの手段なんです。
値上げしても「それでもいいよ」って言ってくれるお客さんはF軸のお客さんで、「じゃあ、いいや」って離れていくのがC軸のお客さんです。
たとえば・・・
F軸のお客さんであれば、
「今、東京に出張してるので、すぐには行けないです。明日でもいいですか?」
って聞けます。
本当に急ぎの時は、パートナーさんにお願いして行ってもらうなど違う対応もしますが、F軸のお客さんは関係性ができているのでこういった交渉も可能なんです。
そして、お客さんも納得して待ってくれます。
でも、C軸のお客さんにはこういったことはできません。
ここで大事なのは「あなたならいいよ」って言ってもらうこと。
そして、これは商品・サービスの価値にも関係してきます。
ちょっと長くなってきたので、今回はここまで。
次回はビジネスの軸と価値の面白い例をお伝えしますね~。
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