僕が沖縄に来た理由⑧ 〜 島田さんがいたから 〜
こんにちは。Kunyです。
お客さんをITサポートする仕事を始めよう。
もう浮ついたりブレたりするのはやめる。
地に足つけて、商圏をしぼる。
お客さん一人ひとりと誠実に向きあおう。
と、ここまで決めたところで前回は終わりましたね。
なんか長々とごめんねぇ〜まだ続くよ。
僕と沖縄との接点。
実はロペ時代、兄弟会社を沖縄につくって月に一回くらいのペースで沖縄にきていたんです。
そんな経緯があったので、
「沖縄、いいんじゃない?」
とわりとすんなり思ったんですね。
しかも、沖縄という「島」の範囲内にしぼることで商圏がクリアになる。
当時の沖縄は、パソコン普及率ワースト1と言われていました。
IT関係の起業をするにはちょっとハードルが高そうな土地ではあります。
東京と違って人脈もほぼゼロ。
それでも、なんだか直感めいたものが僕の背中を押したんです。
パソコン普及率ワースト1でも、きっとニーズはある。
というか、いずれニーズはやってくる・・・だろう!
それまでコツコツやっていけばいい。
ITにまつわるあれやこれやで困っている沖縄の人たちと、ていねいに関わっていこう。
と決めて、沖縄にしました。
隣の県と陸続きの内地(=本土)とちがって、沖縄は海に囲まれているからあちこち行かなくていい。少なくとも海をまたぐことはしない。お金もないし・・・
絞ったエリアで、集中できる。
あちこちフットワーク軽く動きまわることは好きだけど、仕事では別の話。
これを機に、地に足をつけて自分の仕事の軸・拠点を定めたいという気持ちだったから、余計そう感じたのだろうと思います。
夢物語ばかりを追って生きてきた、フワフワした自分といいかげん決別したかった。
それでいま、僕は沖縄市にいます。
沖縄の中心である那覇市じゃなくて沖縄市を選んだ理由は、ロペ時代にお世話になった同僚の、島田さんという方が持っている物件を僕に安く貸してくださることになり、そのマンションが沖縄市のコザという場所にあったからです。
その頃、ナイチャー(本土の人のこと)に貸してくれる不動産屋は少なかったんです。
その現実は後から知りました。
沖縄に来て一年後、島田さんのマンションを出て新しく住む場所を探したときに、その言葉を痛感したもんです。
どこの不動産屋をまわっても、
「保証人が必要です」
と言われてしまう。
しかも身内の人で、沖縄県在住の保証人に限る。
県外から縁もゆかりもなくやって来た人間にとってけっこう高いハードルですよね。
沖縄に住んでしばらく経つと、その理由がなんとなくわかってきました。
県外の人が沖縄の賃貸を借りにくい事情が。
それはきっと、よそもんに対してアタリが厳しいとか、排他的というわけではないんです。
沖縄の人は基本、外からやってくる人に対して親切な人が多いです。
ただ、県外からやってきて憧れの沖縄生活を始めたのはいいけれど、何らかの事情で家賃を踏み倒して帰っていったナイチャー達が多くいたのでしょう。
沖縄の不動産屋さんの口ぶりから、「保証人が沖縄在住の人に限る」というのは決して理不尽な理由からでなくて、そう言わざると得ない事情がかつてあったんだろうな、となんとなく想像できました。
しかし僕には島田さんがいる。
ありがとう島田さん!
そんなわけで沖縄にほぼ縁がなかった僕でも島田さんのおかげで、住むところ問題はすんなり解決しました。
もー、めちゃくちゃありがたかったです。
ありがとう島田さん! ありがとう!!
そんな僕のワンオブ恩人、島田さんについて、印象に残っているエピソードがあります。
沖縄出発1、2ヶ月前で、まだロペに在籍していた頃ね。
ちょうど沖縄に行くことを決めた直後だったと思います。
ロペの会議室で、僕はあるリストを作っていました。
- 沖縄で絶対に必要なもの・・・○
- あったらいいな、なもの・・・△
- なくてもいいか、なもの・・・×
みたいな感じのリストです。
ふとんや食器、冷蔵庫とか、引っ越ししたらすぐに調達しないといけないアレやコレやを書き連ねていました。
するとヒョコッと島田さんが会議室に入ってきて、
「何してんの?」
と僕に訊いてきました。
「沖縄での新生活に必要なものをリストアップしてるんです」
と、僕。
「へー、面白いね」
二言三言たわいもないことを話したあと、島田さんは会議室を出ていきました。
リスト書きに再び取りかかる僕に、島田さんが再びヒョコッと戻ってきて
「やっぱり、敷金1ヶ月分もらってもいい?」
と言いました。
数日前に島田さんの物件を貸してもらえることになって、敷金や礼金についてたずねた僕に、
「不動産屋を通すわけじゃないし、いらないよ」
と島田さんが言っていたんです。
物件を相場より安く借りられることになっただけでもありがたい僕にとって、敷金1ヶ月分が追加されたところで不満なんてないですって。
「もちろんいいですよ〜」
と答えました。
「じゃ、振り込んでおいてね」
島田さんはそう言って、会議室を出ていきました。
次回に続くよ島田さん!
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