軌道修正デススメ② パソコン通信の向こう側にいた人

小遣いはたいて買ったマンガや雑誌でプログラムを学び、もらったパソコンでゲームづくりにいそしむ僕と弟。

勉強なんてしてませんよ。

その頃の僕たちはゲーム作ってるか、裏の道路で野球やってました。

 

弟の方がプログラムづくりにセンスがあって、簡単なカンフーのゲームくらいは作れるようになっていました。

僕はといえば、弟ほどプログラムには熱がはいりませんでした。

そのせいかどうかわからないけれど、プログラム作りは弟の方がずっとうまかったです。

 

知らない人が、パソコンの向こう側にいた

当時、「草の根BBS」というパソコン通信が一部で流行っていました。

 

いわゆるインターネットです。

 

僕にパソコンをくれた坂本さんが、パソコン通信ができるようになるためのカプラーと言うものをくれたんです。

 

こういうのです。

 

カプラーは、外の世界と通信するための機械、今でいうモデムかな。

 

その、もらってきたカプラーを電話機にパコってつけて、発信すると

「ピーヒョロ〜」って音がします。

通信している音です。

 

「ピーヒョロ〜」って、少し前からインターネットをやっていた人で聞いたことがある人も結構いると思います。

やってなかった人でもFAXの音と言えば分かるかな?

 

お店の電話線使って、有料で。

昔なので、使った分だけドンドンお金がかかるヤツです。

 

 

雑誌『I/O』だったか『月刊アスキー』に掲載されていた草の根BBSのアドレスにつなげる。
でもお金がないから、入れないんだけど、雑誌に書いてあるコマンドをあれこれ試して打ちまくっていた。

つないでもそのまま、パソコン通信でワイワイ楽しく集まっている場所の入り口あたりをうろうろしている感じでした。

 

するとある日。

通信センターの方で、ウロウロしている僕に気づいた人が、話しかけてきたんです!

 

飛び上がるほどびっくりしました。

 

正確には「talk(トーク)」という機能を使って、「言葉で話しかけられた」ですね。

チャットみたいに文字がモニターに表示されたんです。

 

その人の質問に、ドキドキしながら、たどたどしいチャットで答えていきます。

 

「君、ここで何してるの?」

 

「えー、小学5年生!? ほんとに!?」

 

 

カプラーの先から飛び込んできた、まったく知らない人から届いた声(文字)。

 

あれが、情報通信のすごさに僕がトリハダを立てた、最初の体験だったかもしれない。

 

 

それから何度か同じところにアクセスしたけど、あれっきり誰かから話しかけられることはありませんでした。

それでも僕には十分でかいインパクトを残した出来事でした。

 

 

知らない人と話せてトリハダものの僕。

あのとき話しかけてくれた名前も知らないあの人は、きっとそんなこと覚えていないんだろうなぁ。

 

あの人も

「僕の行く道すじに、ほんのすこし、いや結構、∠角度をつけてくれた人」です。

 

 

弟はプログラムを作ることに興味が向いたけれど、僕はそのことをきっかけにインフラ系、「つながる」系に興味が湧いてきたように思います。

 

といっても、まだコンピューターも情報通信も情報発信もよくわかってなくて全部ごっちゃにしていた頃の話です。

 

それでも、きっとあのときに「つながる」「インフラ系」の土の上に興味のタネがまかれたんだと思います。

 

 

全然知らない人とつながった瞬間。世界がうわっと広がりました。

向こうの世界から話しかけられたのが感激で、今でも忘れられないくらい。

 

 

ちなみに、親の目を盗んでこそこそ使っていたパソコン通信ですが。

通信中は電話線を使うからしょっちゅう通話中。
両親が仕事に電話を使えないわ、電話料金がバカ高くなるわで、親父にめちゃくちゃ怒られてました。

ごめんね!

 

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