あなたがあなたらしくいれないと、意味がない④
仕事の進捗に支障が出るからと、僕に気をつかって、自分のなかの違和感を押し殺そうとしていたAさんに僕は、ハッキリと言いました。
「あなたが気持ちよく仕事できなければ意味がないよ」
僕はさらに続けて言いました。
「あなたがあなたらしく仕事できないならどんなにいい条件でも、意味がない。
不動産の物件にしたって、もしそこで決めたらこれから長い付き合いになる。
直感でNOを感じる相手と「仕事だから」とガマンして付き合う必要はないよ。
そして、これは、あなたが、これから新しく採用する人たちにしたって、そう。
相手がどんなに凄い資格保持者でも、どんなに凄い経歴や経験者だったとしても、思考で決めたらダメだよ。
あなたが会って「いい!」と感じる人じゃないと。
この人と一緒に仕事したいと思える人じゃないと。
あなたがあなたらしくいれないなら、意味がない。」
Aさんは、だまって聞いていました。
正直なところ、人生でずっと、ずっとダメだしされてきた人にこんなことを言っても、なかなか受け取ってもらえないことが多いです。
「あなたの基準を大事にしてほしい」
そう伝えられて、頭では理解できても、腑に落ちるには時間がかかりそう。
Aさんの表情を見ながら、そう感じていました。
でも、それでもいいんです。
僕が決めていることは「絶対、手放さない」ということだから。
なにを?
『めんどくさい』を手放さない。
彼女は、その誤解されやすい外見や行動からか、ときどき、周りから
「めんどくさい」
と言われてきたそうです。
それを彼女自身もよーく自覚していて、自分自身でももてあましていました。
なので、この不動産の一件も私のせいで、めんどくさいことにしてしまった。
「めんどくさい」って思われてないかな・・・と不安に思っていたようです。
僕は、小学生の頃から知っているAさんの、いいところをよーく知っています。
大人になって、色々あって「めんどくさい」を身につけた彼女。
めんどくさい、と周りに言われて、
「私がおかしいのかなぁ?」
と、言います。
僕が何度も
「そうじゃないよ、おかしくないよ」
と伝えても、いまだに、不安そうにちょいちょい言ってきます。
セルフイメージをなかなか変えられない彼女に対してめんどくさいとか、重いとか、誰かが感じたとしても、僕は、彼女をめんどくさいと思ったことは一度もありません。
そして、そんな彼女を絶対手放さないつもりです。
だって
彼女の「本質的な素晴らしさ」を知っているから。
誰かが言うめんどくささは表層だから。
むしろ「めんどくさいところ」がいいところなのに。
そう、彼女の髪型の「金髪メッシュ」も、いいところ。
「他人から何か言われてしまいそうな」ところが、その人のいいところだったりする。
だから、周りの声なんて気にしないでいい。
かれこれAさんの「(誰かが言う)めんどくさいところ」と向き合いづづけて5年くらいになりますが、この考えを改めるつもりはありません。
そして、あなたにも僕はきっと同じようなことを言うと思います。
あなたが気持ちよく仕事できなければ意味がない、と。